「ラジオ体操のススメ」

私達の身体には、自分の意志で動かせる筋肉(骨格筋)が400個近くあるそうです。


その全ての筋肉を毎日満遍なく動かす事は、なかなか難しい事です。
どうしても首肩腰周りの特定の筋肉ばかりに過度な負荷がかかってしまいがちでありあまり動かさない筋肉の方が多いのではないのでしょうか。


これが現代病である、肩こりや腰痛の原因のひとつになっている様に思います。

朝起きた時の首肩腰周りの筋肉の身になって考えてみると、なんの前触れもなくいきなりフルスロットルで伸び縮みを強いられます。若者のしなやかな筋肉ならいざ知らず、小生の様に初老の筋肉には、酷です。1日の活動を開始するためには、筋肉にもその準備が必要なのです。

では、どうすれば良いか?その答えはラジオ体操だと思っております。


ラジオ体操は1925年アメリカの生命保険会社が「病気にかからない身体になるために」との啓蒙活動の中で考案され、日本では1928年より放送が始まったそうです。

たった3分間全身を無理なく動かす事で、筋肉そして脳にも血流を行き渡らせ、
朝からスッキリした気分で仕事に向かう事ができます、しかも無償です。
 
今年還暦になる小生も数年前から日課にしており、その効果を実感しております

こんなに素晴らしい健康法はなのに、実践している方は多くないと思います。
朝の忙しい時間に毎日続ける事は難しいですよね。

そんな方は足のグーチョキパー運動だけでも習慣にしてみてください。

足裏にある筋肉(足底筋群)は、足趾を曲げる、つまり足趾でしっかり「地面をつかむ」ためにあり、現代の生活ではあまり動かしません。
また窮屈な靴を履いていると、足底筋群が縮こまったままになり、足趾を握り込む力が弱化しやすく、足趾を大きく開くことも困難になり、足底筋群は萎縮してきます。それは足底筋膜炎、扁平足、外反母趾につながりほっておけば歩行バランスも悪くなります。

下図にならって動かしてください。


これなら簡単に会社のデスクでも出来ます。ラジオ体操無理!という方は是非オススメします。

ちなみに、この運動で足の裏がつるようなら、筋肉はだいぶ弱ってます。
全身運動であるラジオ体操する時間を作りましょう。

最後に、

毎日歯磨きしない方はいませんよね。筋肉も同じです。
毎日メインテナンスしてあげてください。

最期まで自分の足で歩くために。


コラムの執筆者
整形外科医 石川 博久

・資格
日本整形外科学会専門医

・専門分野
整形外科 訪問診療

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