宇宙医学で健康寿命が伸びる

宇 宙 環 境 っ て ど ん な と こ ろ ?

ここ東条病院で10年ほど前から内科の常勤医として勤務していますが、その前にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)で宇宙飛行士の主治医として彼らの健康管理を17年間行ってまいりました。宇宙飛行士は宇宙に半年ほど滞在しますが、では宇宙空間とはどんなところか、おそらくあまりご存知ないかと思います、1番の特徴は重力がないところで、しかも人間が生きるための空気がないところです。直接そんなところに晒されれば当然人間は生きていくことができないので宇宙船内に地上と同じ空気を満たしてそこで生活しています。そのほか宇宙放射線や宇宙船という狭い環境での生活などがありますが、ここでは無重量状態の身体への影響について主にお話を進めていきます。

地球上では1gという重力加速度があって、皆さんは普通に歩くことができるのは当然だと思っているでしょう。宇宙では重力がないので体を移動するのに歩く必要がなくなり、写真のようにふわふわと浮いてしまい、壁をちょっと押せば簡単に移動でき、筋肉をあまり使わなくて良いことになります。
(写真は筆者のNASAでの無重力体験)

身体への影響はどうでしょうか

重力のない世界では人の体にはいろいろな悪影響を及ぼし、特に筋肉とか骨に大きく影響してきます。筋肉や骨は使う必要がなくなれば衰えてきます。ちょうど寝たきりの高齢者の筋肉が痩せ細り、骨は骨粗鬆症になるのと同じです。そうならないように宇宙飛行士は写真のように船内で毎日運動をすることが義務付けられています、そうしないと地上に戻ってから立つことも難しくなるからです。
(写真はNASA/JAXA提供)

宇宙飛行士が行っているような運動を地上でやりましょう

今は元気だから運動するのは億劫だと言わずに普段の生活に運動を取り入れていきましょう!

宇宙飛行士がランニングマシンでやっているように1つは走る運動です、走らなくても良いですから歩きましょう。1週間に3−4日、20−30分の歩行です、無理しない程度に少し早めに歩く習慣をつけましょう。
特殊な器具を使って宇宙飛行士は写真のように筋肉や骨を保つ運動をしていますが、地上では特殊な器具を使わなくても足腰の鍛錬はできます。
立ったりしゃがんだりして脚の大腿の筋肉や骨を鍛えましょう、完全にしゃがんで立つのが難しい人は椅子に座った状態から立つような動作でも良いでしょう、10回を1セットとして少し休んで2−3セットすれば良いと思います。

こうすることにより歳をとっても筋肉や骨の状態を若い時のように維持することができ、健康寿命を延ばしましょう。





コラムの執筆者

内科診療部長
関口 千春

・資格
日本内科学会内科認定医/医学博士
航空宇宙医学認定医
アメリカ航空局航空身体検査指定医
米国オハイオ州ライト州立大学医学部航空宇宙医学修士
認定産業医/認知症サポート医

・専門分野
内科一般

生活習慣病関連疾患



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